ジャスダックへの上場が目前になっているアピリッツですが、上場してからアピリッツはどう成長していくんでしょうか
以前「アピリッツが上場に向けて準備中のようです」記事内で名前を出したマーベラスもジャスダックへ上場していて、その後東証二部を経て一部まで上場しています
もしかしたらアピリッツも後々東証一部まで行くかもしれませんね
また、マーベラスは東証一部に上場するまでの過程でM&Aも行っていますが、この点は上場前のアピリッツもすでにM&Aを経験しています
ジャスダック上場後により多くの資金が調達できるようになったら、M&Aにさらに力を入れる可能性は大きいですね
アピリッツのM&A実績
先ずはアピリッツがどういうM&Aをやってきたかを見ていきましょう
Webメディア事業:OSDN株式会社
事業譲受日「2020年2月1日」
アピリッツのWebサービス事業領域でのM&Aになります
求人メディア事業:株式会社インタラクティブブレインズ
事業譲受日「2019年8月1日 」
業界に特化した求人メディア事業の一部で、「Appirits クリエイターズ」として運営しているようです
募集内容を見てみると、webサービス事業に関する募集があったりオンラインゲームに関する募集があったりとアピリッツの持つ「webサービス事業」と「オンラインゲーム事業」が関係したM&Aになりますね
ゲーム事業:株式会社風姿華傳
事業譲受日「2018年5月1日 」
「ゴエティアクロス」がリリースされる約4か月前にM&Aで譲り受けていました
オンラインゲーム事業に関するM&Aもしっかりやっているみたいです
マーベラスの東証一部までの流れ
マーベラスも事業を譲受しながら色々なメディアに展開していってます
大雑把にですがその流れを見てみましょう
マーベラスは1997年に設立して、なんやかんやあり↓
- 2002年
- 2003年
- 2004年
- 2005年
- 2012年
ジャスダックへ上場
同年に「株式会社キャビア」と「株式会社スカラベ」を子会社化
ビクターエンタテインメント傘下であった「ビクターインタラクティブソフトウェア」を連結子会社化
商号を「マーベラスインタラクティブ」に変更ののち、同年に完全子会社化
「株式会社キャビア」「株式会社アートゥーン」を連結子会社化
また「株式会社マーベラスライブウェア」を設立
さらに英国に「Rising Star Games Limited」を設立
東証二部に上場
東証一部に上場
とりあえずザックリとジャスダック上場から東証二部に上場したところまで何をしていたかを出しました
二部から一部へ上場する間も合併をしたり子会社化したりとなかなか忙しく動いているので、上場して資金が入ってくるとM&Aの動きが活発になるようです
例えば「株式会社キャビア」を見てみると、2011年に「AQインタラクティブ」に完全吸収されましたが、「ゲームソフト制作・開発」を事業内容とした会社です
開発・発売タイトルを見てみたら「DRAG-ON DRAGOON」や「ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン」を開発していたのが株式会社キャビアだったようです
どちらもプレステ2のソフトで、僕もプレイしたことありますね
ジャスダック→東証二部の流れの中ではゲームの「企画・開発・販売」に関係する事業の譲受ばかりでした
そこに力をいれていたんでしょうね
が、東証二部→東証一部までの流れの中では音楽関係(音響・サウンド制作)の企業を設立したり、アニメスタジオを譲受していました
僕が社長なら
マーベラスはゲーム事業では「企画・開発・販売」といった部分から、音楽関係やアニメスタジオといった別メディアの事業を設立したり譲受することで色々な方面に展開しています
これは「アピリッツの主要IPをアニメ化する利点」記事で紹介した「ブシロード」がメディアミックス戦略で展開しているのと似ています
ブシロードはIPを「ライブ・イベント」「アニメ」「音楽」「グッズ」といった色々なメディアに展開する戦略をとっているのに対して、マーベラスの場合は各メディアの事業を設立・譲受することで自分達で色々できるようにしています
アピリッツの場合は「自社オンラインゲームの開発、運営及びオンラインゲームの受託開発の事業における開発ラインの拡大、強化」を目的としてM&Aに取り組んだ実績があります
これはマーベラスがジャスダック上場から東証二部に上場する間の流れでゲーム事業を強化していたのと同じですね
ただ別メディアに展開してはいないので、「IPの成長」の部分で今までの作品を見ると成長する速度は若干緩やか
自分達の事業の強化をしながら上場をきっかけに「アニメ」「音楽」関係の事業にも目を向けてもいいかもしれません
アニメ領域に力を入れたい
↑上記の記事内でも触れたように現在アピリッツのオンラインゲーム事業はメディアミックスに力が入っていません
色々あるメディアの中でも「アニメ」とオンラインゲームの連携をとることでより多くの集客をしてアピリッツが持つIPを成長させていきたいです
また、2Dもしくは3Dのアニメーションを制作できる企業との連携が取れるようになればゲーム自体もより完成度が高くなりますね
2018年にリリースした「ゴエティアクロス」の場合だと、キャラクターが必殺技を使う時にはカットインのエフェクトに立ち絵を使用してそれぞれの技の演出に繋がります
この立ち絵はキャラクターのイラストなのでもちろん動きません
2年後の2020年にリリースした「アンノウンブライド」ではキャラクターによってカットイン時に「立ち絵」のものと「Live2D」で動きを出している変化があります
キャラクターのレアリティによって動きのあるものとないものに分けていました
カットインというとても短い時間の中でのことですが、やっぱり動きがあると楽しさに違いが出ます
そして別の企業の作品になりますが、「レッド:プライドオブエデン」の場合だと、必殺技を使った時にはLive2Dで動きの出たキャラクターのカットインが入りその直後に「2Dアニメーションでかっこよく技までの動きを演出」した後にそれぞれの技の演出に繋がっています
「アニメ化」も大事ですが、このちょっとした演出があるのとないのとではゲームの作り込みに差が出て盛り上がり方にも影響してきます
また、アピリッツが自社開発した「かくりよの門-朧-」は3Dでキャラクターを作成した作品でしたが、個人的に綺麗な2Dイラストとの完成度に差が出て集客に失敗したなと感じています
マーケティングという部分にもなるかもしれませんが、3Dでも戦っていきたい場合は強化が必要なのかな、と思います
強化を目的としたM&Aはすでに経験していることなので、例えば「3DCGアニメーションを制作するアニメスタジオ」の事業譲受に的を絞ってみるのもいいかもしれません
音楽も欠かせない
ゲームはもちろん「アニメ」にも音楽は欠かせません
現状アピリッツは「サウンドトラック」を販売することで音楽領域のメディアに展開していますが、サウンドトラックだけでは正直弱いですよね
ここも強化していく必要があります
現状だと
- ゲームやアプリなどの音楽
- 効果音
- 音声
- 主題歌
こういった部分はできてるようですが、別記事でも言ったようにブシロードの場合はゲームやアニメ作品の中にグループを作り、各グループにイメージソングをつけています
さらにリズムゲームを運営しているので定期的に新曲も追加していくわけですが、新曲をYoutubeチャンネルで公開する時のミュージックビデオには「3DCGアニメーション」を駆使してゲーム内映像の使いまわしではなくしっかりと作り込んでいます
アピリッツにはシリーズ化できた3つのIPがあります
そのうちの1つで現在配信中の「ゴエティアクロス」だけでみてもキャラクターは100体以上います
これだけで100体以上ですし、ここから天使・女神に加えて外伝ストーリーのキャラクターも徐々に増えてきています
もしCV(キャラクターボイス)がついてるキャラクター毎にイメージソングを作るとなったらこれだけで大ごとですよ
ミュージックビデオも作る必要が出てきますし、個別の専用ストーリーも欲しくなってきちゃいますね(強欲
「アニメ」に注力してオンラインゲーム事業と連携をとっていこうとすれば自ずと「音楽」もついてくる状況になります
マーベラスやブシロードの場合、音楽コンテンツに関連する事業は新しく設立することで進展してきているのでM&Aに固執する必要はありませんが、どちらにしても「音楽」メディアへの展開は必要になってきます
まとめ
アピリッツは上場前にすでにM&Aの実績があります
その中には「webサービス」関連の事業譲受だけではなく、オンラインゲーム事業を強化する目的で事業譲受した件もあります
ジャスダックへ上場することで資金調達がより加速するのでこれからのM&Aにも力を入れていくことが可能になります
オンラインゲーム事業に絞って考察してみるとアピリッツの作品はメディアミックスに力が入っていないので「IPの成長」のためにも「アニメ」領域に関する事業を譲受していくと相乗効果を見込めそうですね
今頑張ってるタイトル「ゴエティアクロス」や「アンノウンブライド」がさらに成長できるように2Dアニメーションを追加して集客に繋げてほしいです
また「かくりよの門-朧-」では3D技術を使って挑戦していたので、強化を目的としたM&Aで「3DCGアニメーションを制作しているアニメスタジオ」に的を絞って事業譲受を考えてもいいかもしれません
これに加えて「音楽」領域も放っておくわけにはいきません
現状では「サウンドトラック」販売のみなので上場後は音楽の方にも力を入れてもらいたいです
アピリッツのオンラインゲーム事業でシリーズ化できた3タイトルはどれもものすごい数のキャラクターが実装されています
「ゴエティアクロス」だけでも100体以上います
シリーズ化したIPの中でも古株の「式姫」シリーズにいるキャラクター達だってかなり多いです
仮にCVが付いているキャラ毎にイメージソングを作るとなると相当な量になります
音楽メディアで展開していける分はすでに十分すぎるほどあるので、後はやるだけ
すでに「オンラインゲーム事業の強化」を目的として事業を譲り受けた実績があるのでジャスダック上場後の展開に期待したいです