そろそろジャスダックへ上場するアピリッツですが、アピリッツのゲームをプレイしている方で株を買ってみようか考えてる人もいるようですね
ただ、買おうか悩んでるということはそこに「不安」や「情報不足」があるということ
そこでこの記事では同時期に上場する予定で、スマホゲームを運営している別の企業とアピリッツを比較してみます
売上高が同程度ですが、その内容は全く違うのでこの記事が考えをまとめる材料になればと思います
株式会社coly
僕もアピリッツが上場する、ということで色々と調べてる時に初めて知った会社なんですが、事業内容は「モバイルオンラインゲームの企画・開発・運営」と「マーチャンダイジング」
主に女性向けのゲームを手掛けてるようです
製品の一覧を見てみたら確かに女性向けのゲームばかりだったので、どうりで知らないわけですw
ただ「オンエア!」という作品はどこかで聞いたことがあるような気がする。。
もしかしたらツイッターで流れてきたのをチラッと見たことがあるのかもしれません
colyとは
- 設立:2014年
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:モバイルオンラインゲームの企画・開発・運営
colyの事業内容
colyの概況
項目(千円) | 2016年1月 | 2017年1月 | 2018年1月 | 2019年1月 | 2020年1月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 136,423 | 461,987 | 1,350,626 | 2,446,830 | 3,359,421 |
経常利益 | 6,567 | 120,861 | 279,525 | 383,433 | 273,611 |
当期純利益 | 5,227 | 83,098 | 197,255 | 250,613 | 194,494 |
株式会社アピリッツ
アピリッツとは
- 設立:2000年
- 業種:情報・通信業
- 事業内容:各種Webサービスシステムの受託開発それに伴うコンサルティング・アクセス解析・インフラ構築・保守・監視事業、およびオンラインゲームにかかる企画・開発・運営、人材派遣事業の運営
アピリッツの事業内容
アピリッツの概況
項目(千円) | 2016年1月 | 2017年1月 | 2018年1月 | 2019年1月 | 2020年1月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 2,158,240 | 2,218,713 | 2,438,333 | 2,902,354 | 3,579,528 |
経常利益 | 325,568 | 222,166 | 190,496 | 114,732 | 143,188 |
当期純利益 | 183,292 | 19,088 | 127,553 | 58,361 | 66,568 |
オンラインゲーム事業の比較
どちらの企業も2020年1月の売上高は30億を超えていますが、その内容は全然違います
colyの場合はスマホゲーム関連が全てですが、アピリッツの場合はスマホゲーム関連に加えてwebサービス関連
直近の売上高を見てみても
- Webソリューション事業(千円):1,425,577
- オンラインゲーム事業(千円):2,153,971
似たような30億以上という数字でも全く意味が違ってきますね
この項目ではわかりやすくするためにオンラインゲーム事業だけに的を絞って比較していきます
オンラインゲーム事業に割いてる従業員の数
アピリッツ | coly |
---|---|
215 | 235 |
研究開発費
年度 | アピリッツ | coly |
---|---|---|
2019年2月1日~2020年1月31日 | 95,919(千円) | 361,920(千円) |
2020年2月1日~2020年10月31日 | 96,616(千円) | 119,756(千円) |
従業員一人頭に対するコスト
年度 | アピリッツ | coly |
---|---|---|
2019年2月1日~2020年1月31日 | 446(千円) | 1540(千円) |
2020年2月1日~2020年10月31日 | 449(千円) | 509(千円) |
比較から見た戦略
colyの場合
colyの場合はスマホゲームが全てになるので、そこの成績によって大きく左右されます
現状は右肩上がりですが、自分達でも有価証券報告書の「事業のリスク」の項目で認識しているように「女性向けのゲーム」というかなりニッチな範囲を狙っているのでどうしても天井が近いです
さらにセグメントが単一で基本BtoCのビジネス形態
良い時はいいですが、成長が鈍化したり悪くなった時の影響がもろに反映されそうですね
ただ会社設立からこの短期間にこれだけの成績を出すくらい優秀ですから次の展開も見据えています
それが「メディアミックス」
「アピリッツの主要IPをアニメ化する利点」記事で僕も触れていますが、優秀な人達もここに注目するのでその効果が大きいということは間違いない
アピリッツの場合
対してアピリッツですが、比較表を見てもわかる通りコストを抑えながら開発しているのでかなり効率がいいです
売上高もそうですが、一気にドカンというより着実にやるべきことをやって成長している様が見て取れます
「自社ゲームの企画・開発・運営」でBtoCのビジネス形態をとりながら、「受託開発」や「人材派遣」といったBtoBのビジネス形態も持っているので他との差別化も図れています
ゲームをプレイする側からは言いたいこともあるかと思いますが、経営という点で見ればリスクマネジメントをかなり上手くやっています
業界全体に大きな影響が出るような事態になったとしても2つの大きなセグメントを持っているので、どちらかが苦しくてももう一方が支えることができる
さらに言えば各セグメント内の事業で企業を相手にするビジネス形態やエンドユーザーを相手にするビジネス形態をそれぞれ持っているので、何かの衝撃一発で会社そのものが簡単に吹き飛ぶような想像がしにくいです
すんごく噛み砕いて言うと
- 第1次産業(農業):自社ゲームの企画
- 第2次産業(製造業):自社ゲームの開発
- 第3次産業(小売り・卸業):自社ゲームの運営、受託開発、人材派遣
「6次産業化しようぜ!」って流れありましたよね?
つまりは経営の多角化ですけど、アピリッツはそれをWebサービスやオンラインゲームの業界でやってるということですね
まとめ
たまたまアピリッツが上場する、ということで色々調べるようになってその流れで同時期に上場するcolyを見つけました
売上高も同じくらいでオンラインゲーム事業に割かれている従業員の数もほぼ同じ
だけどアピリッツはジャスダックへ上場する傍らもう一方はマザーズへ
会社設立の時期に違いがあったりと色々と違う部分はもちろんありますが、アピリッツがどういう経営をしているかを見るために比較してみました
売上高が同じでも一方は1つの事業でアピリッツは2つの事業
その2つのセグメントの中でもさらにいくつかに内容が分かれています
colyのメインはBtoCのようですが、アピリッツはBtoBとBtoCのビジネス形態が各事業に存在していてそれぞれが成果を出しています
M&Aをしつつ経営の多角化を図ってリスクマネジメントを上手くやっているので
と思いながら有価証券報告書などを見ていました