2025年1月16日に発売開始された「テイルズオブグレイセスfリマスター」を実際にプレイしての評価&レビューになります。
オリジナル版は2009年12月10日に発売され、その後「テイルズオブグレイセスf」が2010年12月2日に発売された
筆者はオリジナル版とfどちらも触れずに直接今回のテイルズオブグレイセスfリマスターをプレイしたので、そこの違いについてレビューで語れることはない
また、テイルズシリーズは「ファンタジア」「デスティニー」「エターニア」「デスティニー2」までプレイ済み
- テイルズオブグレイセスfリマスターが気になっていてレビューを知りたい
- 時間を割いてまでプレイするべきなのか?
- メリット・デメリットは?
- ユーザーの口コミレビューはどんな感じ?
などの疑問に答えていきます
テイルズオブグレイセスfリマスターの概要
テイルズオブグレイセスfリマスターの概要 | |
---|---|
ジャンル | 守る強さを知るRPG |
ハード | PS4 PS5 Xbox One Xbox X|S Steam Switch |
発売日 | 2025年1月16日 |
発売元 | バンダイナムコ |
開発元 | トーセ |
テイルズオブグレイセスfリマスターの要点
ゲームシステム
- シリーズおなじみのアクション風バトル
- MPのような概念がなく、戦闘中に自動で貯まるCCを消費して攻撃をしていく
- 攻撃はアーツ技(A技)とバースト技(B技)の2種類で、キャラによって「剣と銃」や「武器と術」と変わる
- 称号を装備して経験値を貯めることでスキルを習得していくシステム
- シンボルエンカウント方式
ストーリー構成
- 今作は幼年期と青年期の2部構成に加えて、fで追加された後日談の「未来への系譜編」の全部で3部構成
- 幼年期は主人公の想いが空回りして暗い展開、青年期では再開する仲間との確執がありつつも希望に向かう流れ
- わかりやすくシンプルな展開で話の流れについていきやすい
特徴的な要素
- いつでも難易度を変更することができる
- セーブポイントがかなり多い
- 戦闘後の仲間との掛け合いが非常に多い
- やり込み要素が満載
- アクションRPG好き
- 暗い展開から明るい結末へ進んでいくストーリーをプレイしたい
- 自分に合った難易度のバトルを楽しみたい
- 主要キャラの恋愛事情に興味がある
テイルズオブグレイセスfリマスターに要する時間
「テイルズオブグレイセスfリマスター」を一通りプレイするのにだいたいどのくらいの時間が必要になるか、海外サイト「HowLongToBeat」を参考にして見てみる
所要時間 | 投票数 | 平均値 | 中央値 | 急ぎ足 | のんびり |
---|---|---|---|---|---|
メインストーリー | 14 | 36h 10m | 34h 7m | 28h 34m | 55h 4m |
メイン+エクストラ | 23 | 52h 49m | 50h | 37h 18m | 88h 12m |
トロフィーコンプリート | 5 | 93h 19m | 91h 24m | 84h 29m | 105h 27m |

無印版のストーリー最後「最終決戦編」までなら約50時間、fで追加された「未来への系譜編」までだと約65時間程度だが全てのコンテンツを消化するなら80-90時間程度
テイルズオブグレイセスfリマスターの評価
メタスコア


個人評価
筆者の評価 | |
---|---|
音楽 | 18 |
グラフィック | 14 |
ゲームプレイ | 20 |
ストーリー | 16 |
システム | 11 |
合計 | 79 |
テイルズオブグレイセスfリマスターの音楽
ドラクエの音楽といえば「すぎやまこういち」のように、テイルズシリーズの音楽といえば「桜庭統」
テイルズシリーズをあまりプレイしない人にはピンと来ないかもしれないけど、「桜庭統」はヴァルキリープロファイルやスターオーシャンの音楽も手掛けてる人
テイルズオブグレイセスfリマスターをプレイしていてヴァルキリープロファイルを思い出させる曲もあった



コーネル研究所で流れてるBGM「この扉の奥で生まれたもの」
そんな彼が手掛けた今作の音楽は、特にダンジョンBGMに関して序盤は大人しめで終盤にかけてテンションの上がる気合の入った曲になっている
物語の構成的に序盤は主人公のアスベルが何をやっても上手くいかないことばかりなので、終盤にかけて上がっていくのは当然といえば当然ではある
そんな中でもバトルBGMはキャラ達の掛け声や技・術の効果音に加えて戦闘に集中するあまり意識の外に行きがちだが、どれも高水準でよくできている
テイルズオブグレイセスfリマスターのグラフィック


オリジナルが2009年にWiiで発売され今回リマスターされたf版は2010年発売とはいえ、べつに不満が出るようなグラフィックではない
確かに色々と技術が進んだ2025年から見ると「粗さ」に気がつく事もあるが、このファンタジーのようなメルヘンのような雰囲気が独特な魅力を出している
変にリアルを追及するより、よっぽど今の方がいいと思う
キャラクターに関しては3Dモデルで作られつつも、手描きのセルアニメ的なムービーが差し込まれたり
グルーヴィーチャットでは2Dの立ち絵を使って展開されつつ、要所要所にデフォルメキャラのカットインが入るなど手間がかかっている
そういった使い分けのおかげで違和感を消してくれてるのかもしれない
マップに関しては3Dで作られているが、しっかりと世界観にマッチしていて違和感はない
ただしダンジョンでは後半になるにつれてマップが広大になるのに、似たような作りが多用されているので迷いやすさを感じる
テイルズオブグレイセスfリマスターのゲームプレイ


テイルズシリーズといえばアクション風バトル
今作「テイルズオブグレイセスfリマスター」はスタイルシフトリニアモーションバトルシステムを採用している
バトルになると円形に設定された範囲の中で戦うことになり、ボタンとスティック入力方向でセットされた技を出していくことになる
ボタンにはアーツ技(A技)とバースト技(B技)が割り当てられていて、スティック入力の方向により様々な技を駆使しながら立ち回るので戦い方が多才になっている
流石に独特のシステムなので慣れるまでに時間がかかるが、慣れてくる頃に少しずつキャラが使える技や術が増えるのでバトルの面白さが右肩上がりなのがよかった
また、4キャラ切り替えが十字キーの向きに対応しているので、戦闘中にどのキャラを自分で操作するのか選べる点も面白い
そして特筆すべき点が「CC(チェインキャパ)」というシステム
ドラクエやファイナルファンタジーのようにMPを消費してスキルを使用するのではなく、CCの数値を消費して技や術を使っていく
つまり、このCCをコントロールしながら攻防を繰り広げるのが醍醐味
CCは自然回復の他にジャスト回避をすることで一気に回復させることもできるので、思った以上に戦闘がスピーディに展開される
また、CCをどこまで消費するのか、この場面ではジャスト回避を狙うのか、どのタイミングで秘奥義を使用するのか、など駆け引きが面白い戦闘を実現できている
テイルズオブグレイセスfリマスターのストーリー


ストーリーは幼年期と青年期に加え、後日談の3部構成となっている
プレイヤーの予想を裏切ったり覆すようなどんでん返しはないが、安定した作り
理想を掲げる主人公とそれに反して何も上手くいかない暗い展開で序盤は息苦しさがまとわりつくが、青年期の中盤あたりから仲間の一体感が出始めると居心地のいい空間が出来上がってきて気持ちよく終盤まで進んでいけた
また、主要キャラの掘り下げも丁寧にできているので主人公以外の成長もしっかり感じられるのがプレイしていて快適だった
3部の「未来への系譜編」までしっかりプレイすると仲間の恋愛事情も相まって後味良く終われたのがとてもいい
反面、自由に動けるようになるのが終盤近くになってしまっているので、サブイベントなどが後半にグッと偏ってしまっているのが若干気になった
テイルズオブグレイセスfリマスターのシステム
デュアライズ
今作では料理・武具強化・アイテム生成は全て「デュアライズ」というシステムにまとめられている
これが非常によくない
せめてやるにしても料理とアイテム生成に留めておけばよかったものを、武具強化までできるようにしたのはやりすぎだと思う
料理とアイテム生成だけなら、他のゲームでいう錬金術で「AとBを掛け合わせてCを生成する」でまあそんなもんかで終わってた
ここに武器や防具を強化できる仕様まで組み込んでしまった
武具強化は敵から入手できる「鉱石の欠片」を合成して行う
しばらく使用していると熟練武具となり、2つの熟練武器、ないしは熟練防具から宝石を抽出できるようになっている
この抽出した宝石同士を合成することもできるが、強化した武具は「+1」→「+2」とだんだん強化されていく
この仕様のせいで、新しい武器防具をダンジョンなどで入手しても強化された武具より弱いことがままある
いちいちそれぞれの武具の素のステータスを覚えているわけでもないので、強化済みをさらに伸ばしていくべきか、それとも強化前だけど新しい武具に乗り換えるべきか判断する必要が出てくる
だいたいはめんどくさくなって、明らかにステータスが上回ってる時に新しい武具に乗り換えることになると思う
そうなると新しい武器防具を手に入れる高揚感や感激はだいぶ薄れる
さらに武具を欠片以外の素材と合成することで別の武具に変化させることもできるが、これも合成後の武具が装備するべきものになるとは限らないのでガックリくる
ここまででも要素が盛りだくさんでやりすぎなのに、これに加えて武具には「性質」まで存在する
性質の能力はブックから確認できるが、だいたいのプレイヤーにとってはどうでもいい
あとデュアライズ全体に言える事だが、デュアライズ画面で合成できたアイテムが何を組み合わせて作ったのか確認する方法が用意されてないことも利便性が悪い
一応「ブック」→「デュアライズ」で確認することはできるが、行ったり来たりが単純に面倒
エレスポット


「エレスポット」はエネルギーを補充しておけば、ポットの中にいれた素材やアイテムを生成したり、戦闘中に料理を使用したり、その他自動的に様々な効果を発揮するシステム
個人的にこのシステム自体いらないと思う
なぜか
一度デュアライズで生成した物は、エレスポットでエネルギーを使って生成することができるようになる
ということは料理はしないから「シェリア」がみんなに料理を振舞うという設定が死ぬ
あまりにももったいなさすぎる
また、素材集めもエレスポットがあれば生成してくれるが、そもそも素材集めを楽しくできるように作ってくれていればこんなシステムは必要ない
称号
今作では様々な「称号」に技や術が付随して、それを強化・付け替えして各キャラを育成していく面白い試みのシステム
称号の数が多すぎる点に関しては賛否が分かれそう
だって100以上って普通に考えて多すぎるじゃん?
ただ、これだけ称号の数があるので戦闘してれば能力が強化されたり新しい称号を習得したりと、じわじわといつの間にか強くなってくる
それこそ各キャラのレベルに意識がいかないくらい
序盤から終盤までスムーズに詰まることなく進めるバランス調整ができていたのはとてもよかった
グルーヴィーチャット


テイルズシリーズの特徴の一つが仲間の会話イベント
今作では「グルーヴィーチャット」と呼ぶらしい
この会話イベントはストーリーの内容を補完するものだったり、仲間同士の関係構築のものだったりと魅力あるシステム
だけどこのグルーヴィーチャットを閲覧するための条件がストーリー進行の腰を折るものが多数あるのがいただけない
ストーリー上でのイベントを見たら、一旦宿屋へ戻ったり、ダンジョンのギミックをわざと失敗したりと流れを止める原因になっている
さらに会話の中で、ボタンを押して次のセリフを聞く場合とボタンを押さなくてもある程度会話が進む場合があるのが非常に厄介
次のセリフをスムーズに聞きたいと思ってボタンを押すと、結果セリフを飛ばしてしまうことがあった
なのにすぐグルーヴィーチャットを見返す事ができない仕様なので、意図せずセリフを飛ばしてしまうとすごく悲しくなる
一応「ねこにんの村」で一覧を確認することはできるが、そもそも「ねこにんの村」を発見できないプレイヤーには一覧を見る事ができないのでこの仕様はよくない
テイルズオブグレイセスfリマスターの総評
テイルズオブグレイセスfリマスターのここが悪い
- ダンジョンのギミックがやりすぎで楽しさより面倒さが際立つ
- グルーヴィーチャットで会話が自動で進む箇所と進まない箇所があるせいで誤って飛ばしてしまう
- グルーヴィーチャットの出現条件や出現場所が悪くストーリーを進める腰を折る機会が多い
- 要素が多いわりに複雑なシステムでとっつきにくい
テイルズオブグレイセスfリマスターのここが良い
- 爽快感、かっこよさ、操作性、テンポが高い水準で完成されたアクション
- 奥深く多岐にわたる育成要素があってやり込めるような作りになってる
- 感情移入しやすい魅力的なキャラクターが多数いる
他ユーザーのレビュー
低評価



主に戦闘と育成のシステムが複雑すぎる



ストーリー序盤の暗い展開が嫌



ダンジョンのギミックが面倒で面白くない
高評価



戦闘がとにかく面白い



称号集めが楽しい



主要キャラがみんな魅力的
まとめ
バトルの爽快さやスピード感と秘奥義などのかっこいい演出で非常に楽しめる戦闘だったテイルズオブグレイセスfリマスター
特筆すべきは終盤まで右肩上がりで楽しくなる戦闘とそれを実現した「称号」システム
一部過剰なシステムが理解のしにくさを助長していて足を引っ張っているが、それでも全体的に上手くまとまっている
ストーリーは序盤の暗い展開が息苦しくて嫌になる人もいるかもしれないが、中盤あたりから雰囲気がよくなってくるので頑張って遊び進めてほしい
また、今作はフルボイスだったのもストーリーやキャラクターに感情移入しやすい要因となっている
アクション系のJRPGを探しているならプレイするべきタイトル
ということで、定価で購入しても十分満足できる作品なのでおススメしたい
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